そこそこ仕事ができる人の活きる道:閑話休題_AIと仕事

 






AIの進化スピードが加速度的に上がっている。AIに関する論点は多岐に渡り、様々な側面から議論が沸騰していて論点ごとに多様な意見が飛び交っている状況とと言って良いのだろう。ただAIのさらなる普及によって現状の人間の仕事が奪われる、減っていくという方向性自体に疑いの余地はないと思っている。今回は閑話休題としてAIが企業、特に日本の企業の仕事にどのような影響が出るのか?最近思うこと述べたい。

結論から言うと、AIの仕事への活用が進むと、日本企業と世界との労働生産性の差は一層開く、どんどん競争力を失っていくのでは?と危惧している。

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どうしてこうなるのか?理由は案外シンプルでAIが使えない人材を削減してからAI導入人材を採用する米国企業とAI活用できない人材を温存しながら採用を続ける日本企業、という構図。

この状況は実は日本企業にとって初めてのことではない。インターネット黎明期に全く同じことが起こっていた。

「IBMが1993年に行った歴史的な大量解雇が、アメリカのビジネス社会をどのように一変させたか」

1993年のIBMによる大量解雇は、「終身雇用」というかつての看板を捨て、アメリカ企業が社員重視から株主利益重視へ転換する歴史的転換点となった。この動きは米国企業における冷徹なコストカット型経営を決定づけ、今日のAI時代における人材の総入れ替えを可能にする強さの起点となった。

当時、こうしたIBMの転換を非常に多く報道され内容はだいたいこんな感じだった。

「IBM、eビジネスへの大転換:古いスキルの従業員数万人を削減し、ネット人材を大量採用へ」
1. 背景と目的
長年「終身雇用」を掲げてきたコンピュータの巨人IBMは、激変するインターネット市場に対応するため、前代未聞の組織再編に踏み切った。ルイ・ガースナーCEOの主導のもと、同社は従来の「大型コンピュータ(メインフレーム)の販売」から、Webサーバー構築や企業のネット進出を支援する「eビジネス(インターネット・サービス)」企業へと完全に舵を切る 
2. リストラの実態(スキルのミスマッチ)
今回の人員削減は、単なる業績悪化によるコストカットではない。インターネットの知識(ネットリテラシー)や、新しいWeb開発言語(Javaなど)に対応できない中高年の技術者、営業、管理職が対象となった。 
  • 同社は「現在の従業員が持つスキルと、市場が求めるインターネットスキルとの間に深刻なミスマッチがある」と説明。
  • 社内教育でのリスキリング(再教育)が追いつかない、または対応を拒む「古いスキル」の社員に対し、早期退職や解雇(レイオフ)を容赦なく断行した。
3. 「人材の総入れ替え」戦略
古いリテラシーの社員を削減する一方で、IBMはネットビジネスを推進するための若手プログラマーやITコンサルタントを市場から大量に中途採用している。 
  • 結果として全体の従業員数はそれほど減っていない、あるいはむしろ増加している。
  • これは人員の削減ではなく、組織内の血を完全に入れ替える「スキルのリバランス(再配置)」である。 
4. 結論と社会への影響
「一度入社すれば一生安泰」と言われたIBMの終身雇用の崩壊は、米国のビジネス界に大きな衝撃を与えている。テクノロジーの進化(インターネット化)の波に乗れない従業員は、どれほど会社への貢献度が高くとも淘汰されるという、「デジタル・リテラシー格差」が雇用に直結する時代の到来を告げる象徴的な出来事となった。

GEも同様のリストラを行い米国企業全体に波及する一大トレンドになった。当時、非常に仕事ができるがデジタルリテラシーが低い社員と仕事はそこそこだけどデジタルリテラシーがそこそこ高い社員なら、役職に関係なく、前者がリストラされるドラスティックさに驚いたことをよく覚えている。
さて当時の日本企業はどうだったのかネットリテラシーの低い幹部は今起こっているネット産業革命を全く理解できず彼らはそのまま温存され、当然同様の社員も会社に居残った。私は当時所属していた老舗企業の専務はメールを秘書にプリントアウト後机の上に置かせ、返事も秘書に打たせていた。
これでは日本の労働生産性が低いの当然の結果といえる。特に日本のホワイトカラーの生産性は部下なし管理職や、独自資格対応給与制度と相まって平均値としてはかなり低くなる。JTCの多くは誰にでもできる簡単な仕事をしかしていない高給取りがゴロゴロ存在している。
実は失われた20年の本質的要因はここにあると思ってる。
もちろん日本の労働法制は仕事ができない、スキルが足りないという理由でリストラするとが非常に困難で当時も今もそれは変わっていないことも事実だが。
今まさにAI産業革命で全く同じことが再現されようとしてる。大企業を中心に仕事がなくなってきている。
まあ法律的にしょうがないところもあるが配置転換やリスキリングが企業競争力を著しく毀損させる。ネット黎明期でも当時はまだ言葉はなかったがリスキリング的なアプローチを社員を提供する企業もあったが、そこからネット人材が生まれたなんて聞いたこともない。
どうせリスクリングするならこの方向が正しい。今どきユーザーとしてのAIすら活用できないホワイトカラーにAIの使い方教室を開いても全くなんの意味もない、残念ながら。昔、Eメールやブラウザーの使い方や検索エンジン活用法を今さら情報リテラシーの低い社員に行ってもなんの意味もなかったように...
日本企業は新たなテクノロジーやイノベーションに対応が苦手なことがホワイトカラーの労働生産性を結果的に下げているというお話でした。